藍染惣右介の裏切りの伏線

 ブリーチの尸魂界編では五番隊隊長であった藍染惣右介。

 後に護廷十三隊を裏切り、その本性と圧倒的な強さを見せつけ、多くの読者を驚かせた。
 自分もその場面では当然驚いたが、一方で確信は全くなかったものの藍染惣右介が敵である可能性はあるとずっと思っていた。
 実は裏切りかもしれないとわかる伏線はあったのである。それを紹介していく。

藍染惣右介の裏切りの伏線目次

藍染惣右介殺害事件
藍染惣右介の手紙
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藍染惣右介殺害事件

 12巻で五番隊副隊長、雛森桃が定例集会に参加するため移動中、藍染惣右介が殺害されているのを発見する。
 この時点で自分は違和感を覚えた。
 作中では犯人として尸魂界へ侵入した一護達に疑いがかかっているが、読者は犯人は一護達ではないと知っている。
 そして、藍染惣右介は隊長。実力者なのは間違いなく、殺せるとすれば他の隊長しかありえない。
 だが犯人が他の隊長だとしても藍染惣右介を瞬殺できるだろうか? 隊長同士でそこまで戦闘能力の差があるとは思えない(当時はこう思っていたが、後々それは間違いで強い隊長と弱い隊長の間には圧倒的な差があることを知る)
 ちなみに瞬殺と判断したのは、殺害現場周辺が特に破壊されてなかった点、長く戦闘したなら誰か気づくはずである点からである。
 ただ奇襲で一撃で勝負がついた可能性もあり、この時点ではそれほど気にはしていなかった。
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藍染惣右介の手紙

 藍染惣右介は殺害される前に雛森桃に対して手紙を残している。これが裏切りを予測できる最大の伏線である。
 その手紙を読んだ雛森桃は16巻で日番谷冬獅郎(十番隊隊長)に襲い掛かる。
 手紙の内容は、「日番谷冬獅郎が双殛を使って尸魂界を破壊しようとしており、自身は日番谷冬獅郎を東大聖壁の前(藍染の殺害場所)に呼び出し、彼が退かぬなら戦う」というものだった。
 この手紙を信じるなら待ち伏せたのは藍染のほうであり用心もしていたはず。奇襲の可能性もなくなり、瞬殺されたのはよりおかしいと考えられる。
 なによりおかしいのが、尸魂界編の死神側主人公的な存在であった日番谷冬獅郎が犯人と書かれている点。日番谷視点で展開されている場面も多く、読者目線で考えると日番谷が犯人ではないのは明らかだ。
 日番谷冬獅郎は雛森に正気になるように説得するが、雛森は手紙が藍染の字で書かれていたことを明かす。
 藍染に憧れている雛森が藍染の字を間違うはずがない。
 現代でも筆跡鑑定(誰が書いたか不明の筆跡と誰か書いたか明らかな筆跡を比べ、2つの筆跡が同一人物が書いたのかそうでないのか識別する)が実際の事件・裁判の証拠として使われている。筆跡鑑定で重視されるのが「書きぐせ」である。
 人は幼い頃から文字を書いており誰でも独特の「書きぐせ」が生まれる。「書きぐせ」を真似て藍染以外が手紙を偽装して書くのは困難だ。
 つまり雛森の言う通り手紙を書いたのが藍染であり、日番谷を「尸魂界を破壊しようとしている犯人」だと嘘を述べていることがわかる。よって自分はこの場面で藍染は敵だと予測していた(とはいえ藍染はより上の存在に用済みと判断され殺された部下クラスだと誤認していた。藍染が生きて出てきて本性を現した時にはどちらにせよ驚くことになった)。
 ほとんどの読者に裏切りを気づかせず、漫画をよく読み込んだ読者のみが「藍染が怪しい」と気づける素晴らしい伏線だったと言える。
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